2016年I期 1-14

中国フィールドスタディ
-黄河上中流地域から揚子江下流域まで-

コース概要

担当教員 石神隆・日原傳
日程 2016年8月29日~9月7日
場所 寧夏回族自治区、西安、蘇州、上海ほか
参加人数 19名

コースの狙い

黄河上中流地域の沙漠地帯から、揚子江下流地域の水郷地帯まで、中国大陸を移動し連続して体感し、中国の環境、地域、都市、歴史、文化を包括的に考えるフィールドスタディである。

中国4大沙漠の一つトングリ沙漠(寧夏回族自治区)で、地球的に進行しつつある沙漠化問題とそれへの長期的対処努力を学習する一方、それとは全く対照的な揚子江の水郷地帯(江蘇省、浙江省)で水との共生を、生活、文化、都市の各面で理解し、中国大陸の空間的広大さを体感、確認する。

また、歴史・文化が豊富に残る内陸の都市、古都西安(唐の都・長安)を訪れる一方、発展著しい現代の大都市上海をフィールドスタディすることにより、中国大陸における古代から現代に続く悠久な時間軸を体感、確認する。これらに加え、現地大学との交流をすることにより、同年代の中国の若者の考え方や生活スタイルを直接的に理解する。

この一連の体験・学習により、隣の大国・中国への一人ひとりのまなざしが、著しく変わっていくことを自身の中に発見することでしょう。

内容

中国フィールドスタディは、既に8回目である。毎回、ルートや企画内容を変えているが、今回は敢えて大陸を大きく移動しつつ、中国を理解する形をとることとした。国内では、航空機移動が計3回、長距離バス移動が計3回という大きな行程である。いうまでもなく、中国は広大な国土に様々な地域の顔をもっていることから、幅広く各地域や都市を訪問することで、より明確に中国が理解されるものと思われる。

沙坡头地区(トングリ砂漠)での沙漠学習

寧夏回族自治区の銀川から半日近くバスに揺られて着いたのが、トングリ沙漠と黄河の出会う沙坡头地区。壮大な景色の広がる同地域にある沙漠博物館や沙漠緑化基地で、沙漠の性質や緑化努力を学習。沙漠では皆でラクダにも乗りました。

古都・西安で悠久の歴史を考える

陝西省の首都・西安は、かつて長安と呼ばれ唐の都だった都市。近郊にある世界遺産・秦始皇帝の兵馬俑や、三蔵法師が仏教を伝えたシルクロードの起点などを訪ね、中国の悠久の歴史を目の当たりにし遠く思いを馳せました。また、城壁が見事に残る西安の都市遺産や景観、そして舞踏などの文化に多くのことを学びました。一方、新しい環境都市プロジェクトの現場も訪れ、現代の西安のまちづくりの方向性も学ぶことができました。

西安外国語大学での交流会

中国重点大学の一つである西安外国語大学では、学生、教員が私たちの到着を待っていて下さり、楽しい交流会を開催しました。グループに分かれてのディスカッションや発表会、歌、食事会などでお互いがすぐに打ち解け、みんな別れるのがとても惜しかったイベントでした。

水郷地帯のまち、紹興、蘇州、烏鎮を訪ねる

浙江省・紹興は、文学者魯迅の故郷。水郷のまちのたたずまいや、日本との交流史を勉強しました。江蘇省・蘇州は、まさに水の都。船にも乗り、呉の時代など古の水郷のまちづくりや文化に浸りきり、肌身で地域文化を学んだ一日でした。烏鎮は典型的な水郷の村。水と共生してきた人々のこれまでの暮らしを垣間見ることができました。

上海のまち歩き

大都市・上海は、旧市内に加え、租界時代の建物や文化が色濃く残るファッショナブルなまちです。グループごとに、まち歩きをしながら、いろいろなものごとを発見してみました。英国租界、フランス租界、日本租界など往時のまちづくりの雰囲気の違いなど、自分たちでいろいろと探索するのはとてもおもしろいものです。

沙漠と黄河の出会う沙坡头にて
トングリ沙漠にてラクダに乗る
西安外国語大学での交流会がスタート

学習を終えて

「日本と中国の文化や歴史の違いを実際に中国に赴くことにより生で実感することができた。これからあらゆる事柄に対して固定概念を持つのではなく、いつも学ぶ姿勢を持って物事も見ていき接していきたいと、このフィールドスタディを経て思った。」(3年 塚本涼平)

「中国を縦断して様々な地域を訪れたことで、地域ごとに気候も景観も食べ物も異なり、それぞれの歴史や文化があることが分かった。実際に現地を訪れることがいかに重要で貴重な経験であるかを肌身で感じた。また、文化や言語が違っても、日本と中国の友好関係がこれからも続くためには、今回のような交流がもっと増えることが必要だと感じた。」(3年 長谷川奈摘)

「数か月前までは未知だった中国という国が、今回のフィールドスタディを通して、歩いたり、話したり、考えたりするリアルな現場となり、また行きたいと思えるような愛着のある場所となったことは確かだ。今回のフィールドスタディでの貴重な体験はわたしの人生の中で特別なものになったと思う。」(2年 青木千紘)